ゾーンを使っての通貨の強弱を見極める方法
今回の記事ではゾーンにおける通貨の強弱関係に関しての説明と、見極め方についてお伝えしたいと思います。
通貨は「買われる」と値動きが上昇し、「売られる」と下降しますが、通貨ペアごとの値動きの関係からどの通貨が買われ、売られているのかを見ていくのかは通貨ペアの分析に非常に役に立ちます。
まだ経験の浅いトレーダーや初心者の人から見ると今ひとつイメージができないかもしれませんが、需要と供給でモノの価値が決まるように、通貨と通貨の相対的な価値を確認して差額の利益を得るFXでは、どの通貨が買いや売りが多発しているかでトレンドの初動を抑えることも可能になるのでぜひテクニカル分析のスキルとして身につけておきましょう。
Contents
2つの通貨ペアからトレンドの状況把握をする
まずは以下の表をご覧ください。
パターン | 左の通貨 | 右の通貨 | 選定通貨(通貨の強弱) | 選定通貨をエリオット波動から考える今後の波動 |
例 | EUR/JPY | USD/JPY | EUR/USD |
ー |
① | 買いゾーン | レンジゾーン | 買いゾーン | 買い優勢(エリオット1派) |
② | 売りゾーン | レンジゾーン | 売りゾーン | 売り優勢(エリオット1派) |
③ | 買いゾーン | 売りゾーン | 買いゾーン | 買い優勢(エリオット3派 or 5派) |
④ | 売りゾーン | 買いゾーン | 売りゾーン | 売り優勢(エリオット3派 or 5派) |
⑤ | 買いゾーン | 買いゾーン | レンジゾーン | 取引はオススメしない |
⑥ | レンジゾーン | 買いゾーン | レンジゾーン | 取引はオススメしない |
⑦ | 売りゾーン | 売りゾーン | レンジゾーン | 取引はオススメしない |
⑧ | レンジゾーン | 売りゾーン | レンジゾーン | 取引はオススメしない |
⑨ | レンジゾーン | レンジゾーン | レンジゾーン | 取引はオススメしない |
これらを理解するのにはダウ理論とエリオット波動を理解されているとわかりやすいと思いますが、「EUR/JPY(ユーロ円)」「USD/JPY(ドル円)」「EUR/USD(ユーロドル)」の3つの通貨ペアを相対的に確認し、チャートからトレンドの状況を表したものになります。
例えば、EUR/JPYが上昇トレンドで買いで取引をしたほうがいい場合は、さらにEUR/JPYが上昇すると考える根拠が必要になります。これを通貨ペアの強弱で読み取る場合には、EURが買われている状況が客観的にチャートで見られなければなりません。
ここで重要になるのが、EURの対比になっているJPYです。
上記図の①で考えるとUSD/JPYでレンジ相場の場合にはUSDとJPYの買いと売りが拮抗している可能性が考えられます。
買いの投資家と売りの投資家の綱引きが起きている状態ですが、簡単に言ってしまえば誰も引っ張っていない状態とお互いが引っ張っていて力が拮抗している状態。
つまり、値動きでこの状態を見ると上昇も下降もしていないようなレンジの状態になります。
しかし、①のEUR/USDではゾーンが買いを表して上昇している状態になっています。
つまり、EURが「買われている」が、USDが「売られている(あるいはEURの売りよりも弱い買い)」状態になっているわけですが、そうなるとUSD/JPYとEUR/USDの通貨関係からEURは買われており、JPYはEURの買いよりも弱いとわかるので、3つの通貨ペアの関係から売買勢力を見て根拠とすることができます。
①と②の通貨の強弱からこれから発生するトレンドに準備をする
次は実際のチャート画面を見ながら解説していきたいと思います。
パターン①とパターン②の通貨を見つける形にこのパターンではなりますが、エリオット1派でのトレードになるため上級者向けのトレードになります。
エリオット1波はトレンドの初動であり、機関投資家や大口投資家の買いや売りによって発生することが多くなります。難易度は高いので初心者は予備知識として身につけておき、ある程度取引に慣れてきたら狙ってみるようにしましょう。
パターン①レンジブレイクの上抜け。上昇トレンドの初動を狙う
ここでご紹介するペアはEUR/JPYとCHF/JPYでEUR/CHFの相場状況を判断していきます。
このパターン①の場面ではEUR/CHFの押し目買い、もしくはレンジブレイクの上抜けを狙う場面になります。
EUR/JPYとCHF/JPYが画像のような状況でEUR/CHFが下にレンジブレイクが起きた場合は買い支えられる可能性が高いのであまり望ましいエントリーではないと考えることができます。
パターン②レンジブレイクの下抜け。下降トレンドの初動を狙う
ここでご紹介するペアはNZD/JPYとCHF/JPYでNZD/CHFの相場状況を判断していきます。
このパターン②の場面ではNZD/CHFの戻り売り、もしくはレンジブレイクの下抜けを狙う場面です。
NZD/JPYとCHF/JPYが画像のような状況でNZD/CHFが上にレンジブレイクが起きた場合は売り支えられる可能性が高いのであまり望ましいエントリーではないと捉えることができます。
③と④の通貨関係から関係からトレンドをとらえる
パターン③とパターン④の通貨でトレードしよう。エリオット3派・5派でのトレードになるため初級者~中級者でも比較的狙いやすいのトレードになります。
エリオット3派では、最もトレンドにおける上昇幅(下降幅)が大きく利益を出しやすい状況になります。ただ、5派に関しては全トレーダーの利確に加えて、機関投資家や大口投資家などの新規売りでの取引が活発になるため、取引を開始する際には注意する必要があります。
パターン③強気の買い相場で上昇トレンドを積極的に狙う
ここでご紹介するペアはEUR/JPYとUSD/JPYでEUR/USDの相場状況を判断していきます。
このパターン③の場面のEUR/USDでは強気の買い相場になるため、上昇トレンドのトレンドフォローを積極的に狙える場面になります。
パターン④強気の売り相場で下降トレンドを積極的に狙う
ここでご紹介するペアはNZD/JPYとCAD/JPYでNZD/CADの相場状況を判断していきます。
このパターン④の場面のNZD/CADでは強気の売り相場になるため、下降トレンドのトレンドフォローを積極的に狙える場面になります。
⑤〜⑨で買いと売りの勢力がハッキリしない(レンジ)通貨はトレードしない
これらのパターンは、基本レンジゾーンになるためあまり取引はお勧めしないことオススメしますが、中にはトレンドが発生する可能性のあるレンジのパターンも発生するので、監視するとトレンドの初動をとらえることができる可能性があります。
パターン⑤クロス円が共に買いで拮抗しているときは判定通貨では取引はしない
ここでご紹介するペアはCAD/JPYとCHF/JPYでCAD/CHFの相場状況を判断していきます。
このパターン⑤の場面のCAD/CHFではクロス円が共に同じ買い方向を向いているため、CAD/JPYとCHF/JPYの強さが拮抗します。
CAD/CHFはレンジになりやすくなります。こういった通貨では取引は原則お勧めしません。
パターン⑥トレンド転換の予兆。レンジゾーンから売りゾーンへのブレイクを狙って監視。
ここでご紹介するペアはEUR/JPYとUSD/JPYでEUR/USDの相場状況を判断していきます。
このパターン⑥の場面のEUR/USDではEUR/JPYが上昇トレンドからレンジになった場面です。
USD/JPYが強気の買いになっているので、EUR/USDが下降しレンジゾーンから売りゾーンへブレイクする可能性があります。上記で説明をしたパターン④になる可能性があるので監視通貨にするといいでしょう。
パターン⑦クロス円が共に売りで拮抗しているときは判定通貨では取引はしない
ここでご紹介するペアはAUD/JPYとUSD/JPYでAUD/USDの相場状況を判断していきます。
このパターン⑦の場面のAUD/USDではクロス円が共に同じ売り方向を向いているため、AUD/JPYとUSD/JPYの強さが拮抗するので、AUD/USDはレンジになりやすくなります。こういった通貨では取引はお勧めしません。
パターン⑧トレンド転換の予兆。レンジゾーンから買いゾーンへのブレイクを狙って監視。
ここでご紹介するペアはEUR/JPYとUSD/JPYでEUR/USDの相場状況を判断していきます。
このパターン⑧の場面のEUR/USDではEUR/JPYがレンジで、USD/JPYが弱気で売り相場になっているので、EUR/USDが上昇しレンジゾーンから買いゾーンへブレイクする可能性があります。上記で説明をしたパターン③になる可能性があるので監視通貨にするといいでしょう。
パターン⑨クロス円が共にレンジな時は判定通貨もレンジになりやすい
ここでご紹介するペアはGBP/JPYとNZD/JPYでGBP/NZDの相場状況を判断していきます。
このパターン⑨の場面のGBP/NZDではGBP/JPYとNZD/JPYのクロス円が共にレンジな為、GBP/NZDもトレンドが出ずらくなりレンジになる確率が高いと言えます。
こういった通貨ペアでは取引はお勧めしません。
Zoneを使えばひと目で通貨の強弱が把握できる
こういった通貨ペアごとの強弱から見る分析を「Zone」を使うことで、色ごとにトレンドを把握することで、ひと目で確認することができます。
中には通貨の強弱を知っていても分析するのが手間だと感じたり、正しい判断ができているのか混乱してしまうというのは非常に多くのトレーダーが抱える悩みです。
知ってはいても分析に時間がかかってはチャンスを逃すことになりますし、何より時間がかかれば分析にかける時間を億劫に思ってしまうことになりかねません。しかし、「Zone」を使うことでトレンドを色ごとに識別できれば、トレンドの把握が容易にできるため通貨の強弱も分析の手間を省くことができます。
今回紹介した通貨ペアから読み取る通貨の強弱を、ぜひ「Zone」を使って判断できるように試してみましょう。
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