ビットコインとFXの違いとは?比較からわかる5つの違い

FXでは国の通貨同士の価値の変動から差額で利益を得る投資ですが、似た投資の1つに暗号通貨があります。仮想通貨とも呼ばれるこの投資は、日本では一時期大きなブームを読んで著名人から経営者、個人に至るまで始めた人は多くいます。

 

その中で法制度はめぐるしく変化しており、ブームが始まった当初は仮想通貨と呼ばれていた名称そのものが暗号通貨に変更されてしまったほどです。

今回は、そんなビットコインなどの仮想通貨とFX(外国為替証拠金取引)についての違いを比較していきたいと思います。

 

FXと暗号通貨の異なる5つのポイント

意外と知られていませんが、暗号通貨にもFXは存在しています。実物のお金を取引せずに権利を売買するという意味ではFXも似たようなものかもしれませんが、FXの場合であれば外国為替証拠金取引を指し、暗号通貨とは異なります。

 

この暗号通貨とFXには多くの違う点がありますが、基本的に大きく異なるのは以下の5つになります。

  1. 現物取引
  2. 取引所と販売所
  3. レバレッジの上限
  4. 通貨ペア
  5. 取引業者が破綻した場合の対応

それぞれFXと暗号通貨の違いを見ていくために、この5つの違いについて解説していきたいと思います。

 

暗号通貨は現物取引が可能

ビットコインやネムといった様々な暗号通貨はありますが、意外と現物取引が可能なことを知っている人は多くありません。これは株式投資と同じですが、実際に所有しているビットコインを別の取引所やハードウェアウォレットなどに移動することが可能です。

 

ちなみに株式の場合にも移管手続き次第で証券会社の変更が可能になっていますが、暗号通貨で移動することができるハードウェアウォレットは下記のようなものになります。

ハードウェアウォレットを見たことがある人は多くありませんが、現物取引可能な暗号通貨はFXと違って、他の業者のポジションの移動をすることができません。例えば、米ドル/円と買いポジションを10万通貨保有している場合、最終的には「反対売却して決算」「現金化して外貨で貰う」という2つのパターンになります。

 

しかし、FXでは実際にその通貨を保有する権利を持っていても、現物として保有しているわけではないため、口座残高を見ても米ドルは増えずに米ドルの金額が記載されているだけです。手元に米ドルがないのですから銀行間取引ができないのは当然ですが、実際に受け取りたい場合には権利を受け取れる状態にして出勤手続きをする必要があります。

 

取引所と販売所の違い

次は取引形式の違いについて解説していきたいと思います。

取引所と販売所という名称はビットコインなどの暗号通貨特有になりますが、FXの場合にはインターバンク市場で為替取引を行い、証券会社が個人投資家との架け橋となることで取引が可能です。

 

ただ、暗号通貨の場合には異なり、販売所は、運営会社と顧客が売買する方式であり、以下の取引画面を見ると、良く分かると思います。

GMOコインの取引画面

上記はGMOコインの取引画面になりますが、GMOコイン(運営会社)が、売却価格と購入価格を提示し、顧客はそれを見て買うか売るかを決めます。

特徴として、FXと違って売却価格・購入価格ともに1種類しかないことです。そして、それぞれの価格は常に変動しています。

 

ちなみにですが、現物取引でもレバレッジを効かせた取引でも同様であり、販売所でのレバレッジを効かせた取引を「ビットコインFX」といった呼び方をします。

一方で取引所は、顧客同士が売買して運営会社は取引場所を提供する役割になります。こちらも、取引画面に特徴があり、FXで取引が慣れている人からすると新鮮かもしれません。

ビットコインの板

上の画像は取引所の注文状況で板と呼ばれます。様々な価格で、買い注文や売り注文が出されており、これは投資家が出した注文履歴になります。

投資家の考え方は様々ですが、「現在値よりも高く売りたい」「現在値よりも安く買いたい」といった具合です決めますが、FXのようにチャート画面を見て売買する人も多くいます。

 

できるだけすぐに売買したいと思う場合、現在値に近い価格で発注するでしょうし、時間はかかっても良いから希望の価格で売買したいという場合は、現在値と大きく異なる価格での発注になるかもしれません。

こういった希望が、板に表現されています。

FXの場合、取引所形式の売買はありません。そして、暗号資産では、取引所でレバレッジを効かせた取引もできます。「レバレッジ取引」と呼ばれます。

FXと暗号通貨のレベッジの上限

レベレッジは株式投資やFXには導入されている仕組みですが、暗号通貨にも適応されています。

それぞれのレバレッジは以下になりますが、FXの場合には海外を利用することで非常に高いレバレッジで取引することが可能になります。

  • FX:25倍〜1000倍
  • 株式:3倍
  • 暗号通貨2倍

暗号資産は2020年の時点では最大4倍になりますが、2021年4月より2倍に引き下げられます。レバレッジが引くとやる気を失ってしまう投資家も多くいますが、レバレッジは諸刃の剣もありますので、地道に運用して利益を出すように考えていきましょう。

 

取引可能な通貨ペア

次は取引可能な通貨ペアを見て行きたいと思います。一般的なFX業者の場合、20種類~30種類くらいの通貨ペアがあり、FX業者によっては珍しい通貨ペアも売買することが可能です。その点を考慮すると、通貨ペアの選択肢は40以上はあるかもしれません。

 

中には、100を超える通貨ペアで売買できるFX業者もあります。

一方で、暗号資産の場合は10種類未満が多くなっています。

 

ただ、暗号通貨は徐々にその数を増やしていき、あまり知られていないような暗号通貨も合わせればその数は膨大になります。

下は、暗号資産の総合サイト「CoinMarketCap」からの引用で、時価総額のランキングになりますが、約全部で2,677種類あります。

暗号資産の種類

このウェブサイトに登録されていない暗号資産もあること考えれば、総数はもっと多いと予想できます。

しかし、右側の赤枠を見ると時価総額が「?」になっており、これは取引高が少なかったり売買できる取引所がないという時価総額を算出できないことが原因であり、あまり知られていないような暗号通貨もあるからこそ発生する状況です。

 

取引業者が破綻した場合の違い

FX業者が破綻した場合には、預けている資金はすべて返金されるようになっています。これは法律で決めっているため不安になることはありません。

 

しかし、暗号通貨については現金は信託銀行で管理されるためすべて返金されますが、暗号通貨の場合には信託銀行で管理してもらうことができず、業者内で顧客資産と会社資産を分別して管理します。

 

そのため、ハッキングされてしまわないようにコールドウォレットで保管することが基本となっており、以前日本で最も大きい取引業者であったコインチェックでは、ハッキングによって大きな暗号資産を流出させて話題になったのも記憶に新しいはずです。

 

もしもそのような問題から業者が破綻してしまった場合、必ず返金されるかは分かりませんが、単なる分別管理だと債権者への支払いに当てられてしまう可能性もあるかもしれません。

 

 

ハッキングや詐欺の問題について

投資において詐欺被害は多くなっていますが、詐欺だけではなくハッキング問題も暗号通貨では大きな課題です。

 

具体的には、取引所等がハッキングされて保管していた暗号資産を盗まれてしまうといった事件です。

日本だけでなく、世界中で実は何度もハッキングされています。日本ではハッキングに遭った取引所は、損害額を顧客に補償されていたため顧客に実際の損失はなかったのですが、大きく日本の暗号通貨を行う投資家が減った原因にもなりました。

 

また、気軽に外部に送信できる性質を利用して、詐欺も横行されており、暗号資産の送受信に国境は関係ないため、詐欺する側から見ればとても良い環境ともいえます。

しかし、法制度や技術が発達するにつれて、大きなハッキング被害はあまり聞かれなくなったので安心しましょう。ただ、完全になくなったというわけではないので、気を抜かずに管理・取引を行いましょう。

 

暗号通貨とFXとの違いまとめ

FXと暗号通貨の違いについて解説しましたが、取引ではFXの方が歴史が古いことからセキリュティや取引のシやすさのほうが軍配が上がります。

ただ、暗号通貨は日本人で取引している割合が多い投資でもありますので、何かと情報を手に入れやすいと言うメリットもあります。暗号通貨の取引だけに依存して資産を保有しているのは危険ですので、適度にFXや株式などの保有割合も考えながら運用を行っていけるようにしましょう。

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