ロンドン市場の特徴と取引における注意点
ロンドン市場は世界三大市場の1つとして圧倒的に取引量が多く、数時間しか時差のない欧米がロンドン市場に組み込まれた形で値動きが推移します。
FXでの取引において、ドルや円を介入しないユーロ対欧州通貨、ポンド対欧州通貨のクロス取引が活発に行われることになりますが、値動きの特徴や違いを把握せずに挑むと値動きの粗さに大きな損失が発生してしまうことも少なくありません。
そこで、今回の記事ではFX初心者向けにロンドン市場の特徴や注意点について解説していきたいと思います。
ロンドン市場の時間
日本時間の8時から16時までは東京時間と呼ばれ、オセアニアやアジア取引参加者が中心になります。ただ、日本時間の16時以降から翌朝2時の間はロンドン市場と呼ばれて世界1位の取引量を誇ります。
欧米勢が市場の中心投資家になるため、それまでの取引と流れが大きく変わることも多く、値動きの激しさには注意が必要です。一部ではアーリーロンドンと呼ばれる日本時間の15時から取引に参加する投資家も多く、15時〜17時の間で相場が反転したり不規則な値動きなったりすることも発生します。
そのため、ポジションを保有する際には東京時間との変化も考慮して注意することが大切です。
また、この時間帯は経済指標が多く発表されるので、取引している通貨ペアによっては関連した経済指標の発表をしっかりと把握しておきましょう。
翌日までポジションを保有する場合には、FOMCなどにも注意しておきたいところです。
ロンドン市場における経済指標の注意点
FXで値動きが激しくなる原因として、各国の経済指標発表があります。特にロンドン市場では経済指標が集中することが多くなるので注意が必要です。
値動きが激しくなると収益のチャンスと思いがちですが、突発的な値動きも多く発生するため迂闊に売買するのは命取りになります。特に初心者ほど経済指標に合わせてギャンブルのような売買をしてしまいがちですが、上級者ほど短期取引では経済指標の発表に細心の注意を払って売買します。
経済指標の発表時には売買しないという人も多く、長期でポジションを保有する人も一気に流れが反転する可能性があるためトレードスタイルに関わらず把握するべき注意点になります。
欧州には経済的に影響力が強い国がいくつかありますが、中でも「イギリス・ドイツ・フランス」には注意する必要があります。さらにユーロ圏全体の経済指標があり、アメリカの重要な経済指標はヨーロッパの昼に発表されることもある傾向から、特に入り乱れることが多発しています。
経済指標に敏感になりすぎると全くトレードできなくなる原因になりますが、それでも無視することはできないはずです。そこで、次は重要な注意点として「ユーロ圏の経済指標」「アメリカの経済指標」のなかでも重要だと言われている数字2つだけを注目しておきましょう。
そうすることで、精神的なストレスも軽減できて値動きの変化に対応しやすくなります。
ロンドンフィキシングは特に危険
値動きを分析していくうえで、最も値動きが激しくなるので経済指標の発表になりますが、さらに「ロンドンフィキシング」と呼ばれる時間帯に注意しておきましょう。
これはロンドン時間の16時(夏なら日本で午前0時、冬なら午前1時)に当たる時間であり、この時間帯では資金量が膨大になる大口顧客が取引する場合が多く、マーケットの方向性を大きく変えてしまうこともあります。
スワップポイント狙いのポンドは危険
日本ではポンドは非常に人気のある通貨です。これは金利差によって発生する利益、スワップポイントが大きいためです。
しかし、世界での取引量を見た場合、ポンドは決して多いとは言えません。このことが、ポンドの値動きが荒くなる一因となっています。また、値動きが荒いことから投機的な取引が行われることも多くあり、それによってさらに値動きが荒くなる傾向になっています。
ロンドン市場の参加者には実需筋も多いのですが、ポンドに関しては実需の売買は少なく、投機を目的とした売買が多くの割合を占めています。
そのため、ドルや円とは違って実需取引による調整力が働きにくいことも、ポンドの値動きの荒さを後押ししていると覚えておきましょう。
まとめ
今回紹介したロンドン市場の特徴や注意点は、恐らく既にFXを始めている人であれば知っている内容も多かったはずです。しかし、初心者や実際に理解している中級者でも「わざわざ難しい相場」で取引する人は多くいます。
これはトレードスタイルによる売買可能時間だったり、多く利益を出したいという欲だったりと様々ですが、勝ちやすい時間帯や癖ではなく、値動きの激しく分析がしずらい市場であえて取引するのは不利になってしまいます。
もちろん、常に値動きが激しく、荒れているというわけではありません。それでも、経済指標の発表ととももに大きく相場環境がことなることもあるので、ぜひロンドン市場の注意点を踏まえて売買するようにしていきましょう。
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