FX最大の禁じ手「ナンピン・マーチン」では稼げない3つの理由
FXでは自身でタイミングが来た時に買いや売りといった売買をする以外にも、予め予測した価格に到達した際には損切りや利確したり、損切りの設定をしたまま利確の価格を釣り上げたりと様々な売買手段があります。
その中でも、現在まで使われることの多い人気の売買方法に「ナンピントレード」「マーチントレード」と呼ばれるものが2つあります。
この2つは、売買方法として勝率に関係なく利益を発生させることが出来る点から、勝率が高いロジックを必要とせず、負ける回数が多くても利益になるという特徴がありますが、その売買方法は諸刃の剣で、1回の負けがすべての資金を損なってしまう可能性を秘めています。
もちろん、中にはこういったやり方で利益を出し続けている投資家もしますが、それは何回全損しても資金を再投入できるだけの余裕がある投資家に限られます。
最終的に利益になるといっても資金が最初から全てなくなってしまうとモチベーションが下がる原因にもなりますし、何より再度資金を投入できるだけの余裕があるかは人によってかなり難しいはずです。
今回の記事では、「ナンピントレード」と「マーチントレード」と呼ばれる2つの売買方法を説明しつつも、資金が多くない人は使わない方がいいデメリットもお伝えしていきたいと思います。
1つ間違えばギャンブルにようなトレードになりかねない売買方法なので、しっかりと売買方法についても損失を抑えられるやり方で挑みましょう。
Contents
FXでの「ナンピン・マーチン」とはどういうやり方なのか?
FXを始めたばかりの初心者にとってみれば、「タイミングを見計らって取引する以外の売買方法って何?」と疑問に思うかもしれません。
ナンピンやマーチンといった言葉は普段の生活では聞き慣れないですし、ましてやFXを始めたばかりの人からすれば、余計難しく考えて混乱してしまう可能性があります。
しかし、この2つの売買方法はあなたが考えている以上に単純なやり方です。
知らない人は、まずナンピンやマーチンがどういった売買方法なのかを説明しますので理解しておきましょう。
ナンピントレードの基本的なやり方
ナンピンは含み損が発生した時に有効な売買方法の1つだと言われています。
含み損が発生した売買において、さらに追加で売買することで利益を得やすくすることが目的な方法です。
例えば、最初に保有したポジションが予想した動きを見せずに損失が出てしまった場合、手持ちのポジションが損失になっても損切りをせずに追加で買い増し(売り増し)を行っていきます。
これを繰り返すことで購入時のレート平均値を下げることが可能になるので、損失を防ぐながらも相場が良い方向に動くことで膨大な利益を生み出すことが可能になります。
実際の売買に例えるとドル円で100円の相場でポジションで1Lot保有したとします。しかし、相場が予想に反して98円まで価格が下がり、このままでは損失。
こういった時にさらいに1Lot追加で買うことで、2Lotのポジションを99円に保有したことになるわけです。
その結果、相場が99円まで戻ることで損失がなくなり、99円を超えることで利益を得ることが可能になります。
一見すると効率の良い売買方法に思えますが、予想に反してさらに価格が下落した場合には損失が膨れ上がる速度が早くなるので、最終的に損切りをすることになれば全てのポジションに対しての損失が発生し、当初の売買価格よりも大きな損失が発生するという最大のデメリットがあります。
また、予想外の方向に対して値動きが進むなかでポジションを増やしていくのも精神的にかなりの負担になるのでメンタルをすり減らすことになります。
マーチントレードの基本的なやり方
マーチンは18世紀にギャンブルの世界で考え出されたベット戦略の一種になります。
簡潔に説明すると、勝率が50%のゲームで一度負けたら次の掛け金を倍にして取引を行い、何連敗しても1度勝てば負け分を取り返せる手法のことです。
このやり方をFXに応用したのがマーチントレードであり、何連敗しても1勝さえすれば勝てるという驚異的な売買方法になります。
しかし、こちらもナンピンと同様に資金が尽きてしまう可能性があり、損切りする際には莫大な損失が発生してしまうことがあるため、利益を積み重ねても1回の負けで資金を全て失う可能性があります。
10連続で負けて11回目で勝つこともあれば1勝で勝つこともありますが、FXでは特にリスクの高い手法の1つとして挙げられます。
そして、このナンピンとマーチントレードを組み合わせたさらにリスクをとった売買方法もありますが、含み損である状態でさらにナンピンにマーチンを繰り返すのでやりすぎるとあっという間に証拠金維持率が減って強制ロスカットになる可能性があるので要注意しましょう。
ナンピンやマーチンのトレードは超上級者向き
マーチンとナンピンのトレード方法は、その捨て身の売買方法から非常にリスクの高い取引方法になっています。
初心者トレーダーにとってみればすぐに資金を失ってしまいかねないやり方ですし、十全な資金や神がかり的な相場感が必要になるため超上級者向けといってもいい売買方法です。
一見簡単に見えるやり方も、利益を出し続けるという本来のFXをやる目的を遠ざける可能性が高い売買方法なので、目先の利益を追い求めるばかりに最終的な損益がどうなるかを考えないような取引をしないようにしましょう。
そして、なぜこの2つがFXでは流行しているのに、ごく一握りしかできないような超上級者向けなのかを次は解説していきます。
もしも興味のある人は、まずデメリットを把握してからデモ取引で試すのも勉強としていいのかもしれません。
デメリット①資金管理の難しさ
ナンピン・マーチンで利益を出す条件は、一定の値幅で上昇と下降を繰り返すことです。
そうでなければずっと進み続ける相場に対して損失を含ませてしまい、資金が尽きてしまうためです。
ここで考える必要があるのが、「いつ価格が反転して戻るか」ということ。
例えば、取引金額を少なくしてリスクを落としても、数週間や数ヶ月単位でひたすら下がり続ける長期トレンドでもマーチンやナンピントレードの場合は継続してポジションを保有しなくてはいけません。
ナンピンとマーチンの最大のリスクは資金管理に失敗することです。
これは「損切りをしない」という特徴で利益を得るためです。
そのため含み損が発生するたびに新しいポジションを保有して資金を投入する必要があり、含み損が大きくなる可能性が指摘されます。
100%予測が不可能なように、何かしらのファンダメンタルズによってずっとトレンドが継続されたり、一瞬の値動きでロスカットされてしまう可能性を考えると、資金管理を1つ間違えただけで即退場になってしまいます。
デメリット②メンタルの負担が大きい
ナンピンやマーチンといった売買方法は、「精神面で影響を受けやすい」「メンタルに負荷が大きい」という面があります。
例えば、最初にナンピンをするつもりがなかったポジションでも、「損切りしたくない」という気持ちからナンピンへ走るといったケースや、「いつもはここまで下がれば反転する」といった根拠のない経験則から大きな資金を使ってポジションを追従して保有しがちです。
本来であれば普段しないような取引も、マーチンやナンピンといった最終的には勝つといった結果だけを見てリスクを無視した取引をしてしまうのはメンタルが未熟な投資家に多い傾向です。
同じような取引でも、1万円か100万円では損失を出したくないという気持ちも違いますし、逆に利益になる可能性を考えれば欲が出てしまいます。
こういったメンタルに左右されないためにも独自のルールを作って対策することが大切ですが、やはりメンタルが未熟な人は「勝てば問題ない」という考えからルールを作らずに感情任せな取引をすることが多くなっています。
形にないものだからこそはっきりとした足跡が残るように対策するか、欲や焦りが発生しやすい取引はメンタル的にも取引をしないことを考慮すると、ナンピンやマーチンといった取引方法は長続きしない短絡的でギャンブルのような精神性になる可能性が高いと覚えておきましょう。
③スワップポイントによる損失の可能性がある
FXでの取引では、2つの通貨の金利調整額で「スワップポイント」と呼ばれるものがあります。
金利の安い通貨を売り、金利の高い通貨を買えばスワップポイントの分だけ利益を得ることが可能になりますが、ナンピンとマーチンといった売買方法では、ポジションを多く持つことで売買額も膨らんでいくのでスワップポイント分の支払いを求められることがあります。
もちろん逆に貰うこともありますが、支払うことも考慮に入れると不利な取引を続けることになります。
通貨ペアの選定でも意識しなくてはいけませんが、通貨ペアによっては大きなトレンドが発生する場合もありますし、チャンスが来てもスワップポイントを意識して売買が行えなくなる可能性もあります。
相場が予想外な動きを見せた場合、反転しなければずっとポジションを保有しつづけるので、そういった事を考慮するとスワップポイントが不利に働いた際の損失もかなり大きくなることを忘れないようにしておきましょう。
ナンピン・マーチンはFXでは禁じ手
ナンピンとマーチンのといった売買方法は、分かりやすく勝率が不安定な初心者であっても利益を出しやしかもしれません。
しかし、負けた時のリスクは全ての資金を失うこと意味していますので、勝率低くても利益を出せる反面、勝率が高くても資金がなくなったしまうという事態に陥ってしまいます。
売買方法としてFXでは有効ですが、使い手は少ないですし、ずっとポジションを保有している場合は追従して売買を行わなくてはいけないので目が離せない状態になります。
専業トレーダーなら時間の余裕があるかもしれませんが、ほとんどの人が本業もある兼業トレーダーだと思いますので、相場によっては時間的に問題も発生します。
中にはEA(自動売買)などで見なくても自動で取引を繰り返させるといった人もいるかもしれませんが、安定して勝ち続ける見返りが全ての資金を失う可能性を考えれば、安定はしても勝ち続けることは難しいでしょう。
なぜなら、1ヶ月、2ヶ月と安定して利益を出していたとしても、1回の負けで発生する損失が膨大なため1日で全てを失うことになるからです。
FXをやる目的は稼ぐためだと思いますが、それも継続することが大切ですので、焦らずにマーチンやナンピンといったリスクの大きすぎる売買方法は出来る限りやらないようにしましょう。
時間をかけて検証し、自身で利益が出るとテクニカル分析の結果から分かったときこそ、あなたが本当に資金を使って取引するときです。
勝ち続けるトレーダーは地道な検証と地味な取引の繰り返しになるので、一気に利益を出したり、負けたくないといた無茶な考えを取引に出さないよう気をつけて意識していきましょう。
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