グランビルの8つの法則で見極める売買ポイント解説 【FX初心者向け】
FXでは色々なテクニカル指標で値動きを分析することが可能になりますが、テクニカル分析のなかには法則や理論といった世界的に値動きを分析するうえで知られているものも多くあります。
単純に価格から算出されたテクニカル指標だけではなく、テクニカル指標やローソク足といった価格からどのような法則があるのかといった部分を知れば、売買のポイントを決めるのに役立ちますし、余計な損をしなくても済みます。
今回の記事では、世界的に認められている法則の1つ「グランビルの法則」と呼ばれる異動兵器線を使った手法をお伝えしていきたいと思います。
移動平均線の使い方を知ってはいても、グラインブルの法則のように移動平均線から売買ポイントや相場の状況を判断してエントリーを決める人は、初心者にとっては覚えておいて方がいい1つの理論です。ぜひ「グラインビルの法則」を理解し、価格と移動平均線の状況から相場の流れを読めるようになりましょう。
【こんな人におすすめ!】
・FXで有名な理論や法則を知らない初心者
・移動平均線でどのように売買を見極めればいいのか?
・移動平均線をさらに有効活用したい
Contents
グランビルの法則について
グランビルの法則は、米国のジョセフ・グランビルというアナリストが考案して編み出した投資手法になります。
価格(ローソク足)と移動平均線を使って相場状況の把握、売買を行える最も有名な法則になっていますが、日本ではあまり使いこなされていません。
その理由は、「法則」とあることから、何も考えずに機械的な手法として勘違いし、簡単に勝てそうなイメージを持たれることが初心者のなかには多くおり、使ってみて勝てないからとすぐに他のやり方にしてしまう人が多いためです。
原則として投資では必ず勝てる手法は存在しませんし、特に日本の投資家は短期的な検証しか行わずに有効な手段を見逃す人も少なくないため、使いこなす前にやめてしまう初心者と中級者が後をたたないのが現実です。
しかし、投資の本では必ずといっていいほど記載されている法則で、株式や先物でもグランビルの法則は使える用途の幅はかなり広くなっています。なので、グランビルの法則をしっかりと理解し、そのうえで実際の相場で有効活用できるだけの経験と検証で確かめてみましょう。
グランビルの肝になる8つの法則
グランビルの法則には「買いの4パターン」「売りの4パターン」合計8パターンがあります。
これだけでも移動平均線の使い方を更に昇華させることができるので、まずはしっかりと覚えておきましょう。
ただし、実践ではグランビルの法則だけではなく、他のテクニカル指標やファンダメンタルズも忘れずに取り入れて相場分析を行っていくようにしてください。
それでは、まずは純粋なグランビルの8つの法則を紹介していきます。
買いの法則その1「最初の買い」
移動平均線が長期間下降、あるいは横ばいの状態で推移した後にローソク足(価格)が上昇に転じて移動平均線を下から上にうわ抜けた時です。
このときには買いのパターンとして、エントリーポイントにする投資家も多くいます。
買いの法則その2「押し目買い」
ローソク足(価格)が移動平均線を下回った後、移動平均線のトレンド方向に向いていた時には継続すると考えて押し目買いになります。一的にローソク足(価格)の動きではなく、対局の流れに沿った2つ目の買いパターンになります。
買い法則その3「追従買い」
移動平均線よりもローソク足(価格)が上にある状態で横ばいが続き、上昇途中の移動平均線に対して下回ることなく再度価格が上昇に転じた際、トレンドの合わせて買いを追従させる形になります。
上昇後の利確する投資家達によって一時的に発生した価格の下降と、再度買いポジションを保有することで発生する再上昇を移動平均線とローソク足から判断して売買する3つ目の法則です。
買いの法則その4 「反発買い」
下向きになっている移動平均線よりも、さらにローソク足(価格)下降して大きく乖離した状態。
この乖離の大きい状態の時は、移動平均線に価格が戻る可能性が高いと判断して買いになります。
これは必ず移動平均線に価格が収束する習性を活かした買いの4つ目のパターンです。
売りの法則その1「最初の売り」
移動平均線が長期間上昇トレンド、あるいはレンジ相場で推移した際にローソク足(価格)が下降に転じて移動平均線を上から下に下抜けた場合に最初の売りに入ります。
売り法則その2「押し目売り」
ローソク足(価格)が移動平均線を上回った際に再度下落し、移動平均線が下落途中の時は追従して売りになります。
一時的な上昇ではなく、相場の大きな流れに沿って売買するパターンです。
売り法則その3「追従売り」
移動平均線よりローソク足(価格)がレンジ相場、あるいは下降トレンドの際に移動平均線を上回ることなく再度下降に転じた際に追従して売りになります。
一時的な利確をした投資家と、再度売りで下降に入る事で形成される相場に追従する形の売りパターンになります。
売り法則その4「反発売り」
上向きになっている移動平均線よりもローソク足(価格)が大きく乖離して急騰した際に、移動平均線に価格が戻ってくる習性を利用して売りに入ります。
移動平均線と価格の位置の関係から相場状況を判断して売りをするパターンです。
グランビルの法則で勝てない理由
グランビルの法則、4つの買いと4つの売りパターンをご紹介しました。
しかし、実際にグランビルの法則を使っている人はあまり多くありません。
その理由は使い方を間違っているせいで負けている投資家が多いためです。
グランビルの法則を振り返ってみると、移動平均線を中心としてローソク足が(価格)が上回ったり下回ったりと移動平均線と価格の位置からパターン化したものです。
ただ、問題なのは上記画像のように移動平均線を上回っても値動きが上に進まずに下降したり、価格が移動平均線から離れすぎても移動平均線に戻ってこないなど、グランビルの法則に当てはめて売買しようとしても「ダマシ」が多くて思い通りの値動きにならないことが多々あります。
実際に8つのポイントを見てもらうと分かると思いますが、グランビルの法則で買いや売りを繰り返しても紹介したような綺麗なチャート画面になることはほとんどありません。
それは「あくまでも法則」であって売買するための根拠として不十分なためです。
一般的にいわれているグランビルの法則のように、既に値動きが完成している状況であれば「エントリーするポイント」は見分けやすいですが、私達が分析して予測するのは未来の為替価格です。
多くの投資家はグランビルの法則を知ったものの、相場の状況を無視してグランビルの法則だけしか見ていないため、どういった相場状況でグランビルの法則に当てはめるのか?ということを考えていない人が多くいます。
次は実際にグランビルの法則を正しく使ったエントリー例をご紹介したいと思いますので、グランビルの法則でエントリーする際の相場状況と売買根拠を確かめていきましょう。
あなたは分かる?本当に正しいグランビルでの売買ポイント
実際にグランビルの法則を使うにあたって未来の価格を予測しなければいけません。上記の画像は、グラインビルの法則の売り❷(価格が一旦移動平均線を上抜けるが再度下降して下回った)がないトレンドの流れです。
上昇トレンドから反転して大きく下落した流れになりますが、一度上昇を始めて再度下降しています。
もしもあなたなら、❶~❼のどこでエントリーをするでしょうか?
一般的なグランビルの法則に当てはめるのなら売買する箇所は7つということになります。しかし、相場が思い通りに進まないことを考えれば、過去のチャートから分析して明白な根拠を作らなければなりません。
そうでなければ、相場状況を無視してグランビルの法則を使った結果、間違ったやり方の他の投資家と同じように損失を出したのち、「グランビルの法則じゃ勝てないじゃないか…」という勘違いをしてしまうことになります。
グランビルの法則を正しく使うための根拠が持てる分析方法
8つあるグランビルの法則ですが、実はエントリー出来る箇所は1箇所しかありません。
その答えは「❼」です。
あなたの考えた答えは合っていましたか?
間違っているひとはもちろん、合っていた人もなぜそこでエントリーポイントだと考えたのか説明できるでしょうか。理由はないけど「ただなんとなく…」という人であれば、根拠なく感で取引を行っている可能性があるので要注意です。
グランビルの法則の中でなぜ1箇所しかエントリーポイントがないのか。
順を追って解説していきたいと思います。
例えばエントリー❶から❺までは上昇トレンドと見ることができますが、いつまでその上昇が続くかは分かりません。一時的に下降しているだけで再度大きく上昇する可能性もあります。
この上昇の転換点を探すことから根拠探しが始まります。
【エントリー①】
エントリー❶の時点では、移動平均線よりも価格は下から上抜けた流れでようやく買いが優勢になります。
しっかし、グランビルの法則で売りの❷に当たる場所であれば、再度下降する可能があり、買いで入るには根拠がありません。
【エントリー②】
エントリー❷で高値と安値を切り上げていることから上昇トレンドと呼んでもいいかもしれませんが、もっと長時間足の大きな流れの押し目に過ぎず、❷だと一時的な上昇で大きな流れに負けてまた下降してしまうかもしれません。
【エントリー③】
エントリー❸に関していえば、プロであろうとトレンドの高値圏で意図的に入ることはできず、難易度が高すぎます。
運良く入れることはあるかもしれませんが、分析の結果トレンドの天井や底で入れることは不可能ですので一番エントリーとしてはNGです。
【エントリー④と⑤】
エントリー❹の状況ではまだ上昇が続く可能性があります。
しかし、価格が移動平均線を下回り、エントリー❺(グランビルの売り❶の法則)のように下降に転じる可能性があり、買いとしては不安材料が残ります。売りの根拠としてはない状態なので売買はせずに様子を見る状況。
また、エントリー❺では移動平均線を下回ったときには、先程述べたように売り❶の状況になりますが、まだ安値をつけておらず、上昇の最中という可能性もあります。
【エントリー⑥】
エントリー❻はようやくエントリー❸の高値を作ったエントリー❷の安値を下回ったような形になります。ここまでくるとダウ理論の「トレンドは明白な転換シグナルが出るまで継続する」から考えるに、上昇トレンドの終わったと捉えることができます。
ここでいうトレンドの終了は高値と安値を更新せずに下回ったことから、ここからようやく売買ポイントを考える分析状況を揃い始めました。
しかし、ここから横ばいが続く可能性もあり、価格が下がるという根拠はまだ足りません。
【エントリー⑦】
エントリー❼が売買のポイントになりますが、なぜエントリーポイントなのかを説明します。
先程お伝えしたように、ここから売買するには売りで入るための価格が下がる根拠を見つける必要があります。
エントリー❼で取引するにあたり、2つの箇所に把握しなければいけないことがあるのですが、あなたはどこか判断することができます?
❼を除くエントリー❶から❻で考えてみてください。
ラインを引くと分かる売買のための根拠
答えを見つけるためにはラインを引くことで分かりやすくなります。
答えは❷と❸の箇所になりますが、この❸の高値と❷の安値に横のラインを引いてみてください。
そうすることで、このトレンドでの高値と高値を作った上昇の安値(❷)を確認することができます。
上記画像のようにトレンドの高値にラインがあり、そのポイントが上昇トレンドの天井だと判断できると思います。そして、そのトレンドの前の押し目である❷は、ダウ理論の考え方からすると明白にトレンドだと判断材料にできる高値と安値であり、それ以降はトレンドが継続するのかの材料は出現していません。
つまり、上昇の継続を明白づけた価格帯(横線)を下回ることでトレンドの崩壊を確認します。
しかし、ラインを下回ったあとでは下降ではなく横ばいの可能性があるため、再上昇後に押し目を作って再度ラインを下回るのを待ちます。
こういった過去の価格から分析を行い、下降に転じたと明白に判断できるポイントが次の売買のエントリーポイントになります。
そのため、この状況で判断が必要な❷と❸で求められるのは「❸トレンドの高値はどこにあるか?」「❷転換になる基準価格はどこか?」という2つになります。
売買するために必要な状況を過去から分析して根拠にするために必要はなのがこの2つなため、答えは❷と❸というわけです。
ちなみにラインだけではなく、移動平均線にしっかりと反発してラインを下回ったり、ボリンジャーバンドに反発するような形でタイミングが重ねるような時はさらにオススメなエントリーポイントになります。
短期の投資スタイルか長期かで変わる展開
ここまでグラインビルの法則の基礎や例をご紹介しましたが、数週間規模でやるスイングトレードでやるのか、あるいはスキャルピングやデイトレードのように短期間でやるのかでも大きく捉え方が異なります。
短期間のトレードであれば相場の展開が変化するのが早いため細かく利確していく必要があり、必然的に得られる利益はスプレットの関係で少なくなります。しかし、長期間運用するトレードするスタイルの場合には、短期に比べると大きく動くことになるので、時間はかかるもののスプレットを補えるぐらいの利益は得ることができます。
ただ、大きな金額でエントリーしていると、予測が外れて違う動きが発生した場合には金額に比例して大きな損失も発生するので事前に計算するトレード計画を考えておくようにしてください。
グランビルの法則は分析に有効だが過信しすぎない
グランビルの法則自体はとても簡単です。
今回は具体的な値動きでの例も紹介しましたが、勝ち続けるために必要なのはグランビルの法則だけでは不十分です。もちろん、別の方法で売買するのも悪くありませんが、投資理論や外部環境分析、そして資金管理など様々なものがあります。
移動平均線を使い投資家にとってこれ以上ない法則になるので、今用いることができる自分の力と合わせてグランビルの法則でぜひ相場を読み解けるようになっていきましょう。
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