初心者でも分かる一目均衡表の基本と5つの線を活かす売買方法

FXは様々なテクニカル指標がありますが、その中でも一目均衡表は日本で生まれた純国産のテクニカル指標です。

そんな世界でも認められたテクニカル指標ですが、一目均衡表は「波動」「時間」「水準」といった総合的に取り入れた指標で、相場のバランスを視覚的にも分かりやすくされています。

 

時間分析を主体として波動分析に及ぶ奥の深いテクニカル分析になりますが、他のテクニカル指標にはないローソク足(価格)よりも先に線が表示されていることもあり、将来の価格を予測するうえでは非常に人気が高いテクニカル指標になっています。

 

今回の記事ではそんな日本で発祥したテクニカル指標「一目均衡表」の基本について解説していきたいと思います。

 

 

一目均衡表で表示される5つの線

他のテクニカル指標と違い、一目均衡表には5つの線が表示されます。

  1. 基準線
  2. 転換線
  3. 先行スパン1
  4. 先行スパン2
  5. 遅行スパン

5つもあると相場分析の際に迷ってしまうと考える初心者もいるかもしれませんが、全てが並列して同じ位置を推移しているのではなく、先行スパンや遅行スパンなどそれぞれがチャート上の異なった位置で推移しているため、使ってみると見ずらいと感じる人は意外と多くはありません。

 

以下は一目均衡表5つの計算式になります。

一目均衡表の計算式
基準線=(26日間の最高値 + 26日間の最安値) ÷ 2
転換線=(9日間の最高値 + 9日間の最安値) ÷ 2
先行スパン1=(基準線 + 転換線) ÷2を26本分先行表示
先行スパン2=(52日間の最高値+52日間の最安値) ÷2を26本分先行表示
遅行スパン=最新の終値を26日遅行させて表示

ちなみに、この計算は過去の期間のローソク足(価格)と最新の価格を含み、遅行スパン以外は終値ではなく実際の最高値・最安値を利用します。

また、現在では一般的に短期も長期もどの時間足利用していますが、一目均衡表を開発した一目山人本人は日足のみで利用するべきチャートだと推奨しています。

 

一目均衡表の使い方

実際に一目均衡表を使うためには5つの線を理解しておかなくてはいけません。

一目均衡表の理解を深めると色々な売買をすることができますが、あまりに多いため初心者は基本や役割をまずは知って活用できるようにデモ取引などで経験を積んでみてください。

 

基準線と転換線で発生する売買サイン

一目均衡表では、「基準線」と「転換線」はそれぞれ長期と短期の移動平均線の役割があります。

「基準線」と「転換線」の位置関係、ローソク足(価格)がどこを推移しているかで値動きの分析にも役立ちますが、なんといっても移動平均線と同じように短期(転換線)が長期(基準線)を超えることで、「ゴールデンクロス・デットクロス」といった売買サインが発生します。

上記は赤色の転換線が長期の基準線を上抜けた場合になりますが、これは転換線が基準線を上抜けたらゴールデンクロスと考えて買い目線で考えます。

ちなみに、転換線が基準線を下回ったらデットクロスと考えて売り目線での売買です。

 

5つの線のうち2本の線「基準線」と「転換線」は短期と長期の移動平均線と同じ役割、売買サインが発生する同じようなものと理解しておけば十分です。

 

2本の先行スパンが見せる未来

先行スパンは、他のテクニカル指標にはないローソク足(価格)に対して未来に線画されています。

価格の先に表示されているという他の指標にはないこともあり、特徴も一線を画しています。

それは、先行スパン1と先行スパン2の間には色がつくようになっており、この先行スパン1と2の間のことを「先行スパンの雲」と呼びます。

この2本の先行スパンで発生した雲は、価格の抵抗体として認識されます。

つまり、ローソク足(価格)が雲に突入すると値動きが鈍くなります。その他にも力の圧力に耐えきれず急騰急落するなど「先行スパンの雲」特有の価格変動が起こると言われています。

 

この「先行スパンの雲」は厚ければ厚いほど価格の抵抗が強いと判断できるので、分厚くなっている際には注意しておきましょう。また、相場よりも雲が上に位置している場合には、上値抵抗のある下落相場、相場よりも雲が下にある倍には下値支持のある上昇相場と考えられており、雲の位置からも相場の状況を視覚的に判断することができます。

先行スパン1と先行スパン2の位置で分かる相場状況

雲がローソク足(価格)の下にある場合には、先行スパン1が上にあり、先行スパン2が下にある状態です。この時には価格が雲の上にあることが分かるため、買いが優勢であり、上昇トレンドと判断できます。

逆に雲がローソク足(価格)の上にある場合には、先行スパン1が下にあり、先行スパン2が上にある状態になります。この時には価格が雲の下にあることが分かるため、売りが優勢であり、下降トレンドと判断できます。

 

先行スパンはローソク足(価格)よりも先に表示されることもあり、この先行スパン1と2の上抜けと下抜けをゴールデンクロス・デットクロスに見立てて売買サインと考える投資家も少なくありません。

そして、その先行スパンの上抜けと下抜けが発生した「雲」のねじれてクロスした箇所を先行スパンの変化日」と呼び、相場の転換目安になると考えられています。

 

そのため雲のねじれが発生した相場の変化日前後の相場を通過する際には注意しておきましょう。

他のオシレーター系指標などと併用して使うことでさらに精度を上げてトレンドの転換や相場の状況を判断することが可能になるので、その点を忘れずに一目均衡表だけに頼り切りにならないようにしてください。

あくまでも分析のための1つの要素だと忘れずに覚えておきましょう。

 

価格の過去に表示される遅行スパン

先行スパンは新しいローソク足(価格)を26日逆行させただけの単純な線になります。

しかし、一目山人本人も最も重要な線といっており、相場の大きな転換を示すといわれています。

遅行スパンの使い方については、価格を遅行スパンがうわ抜いたら上昇の兆しだと考え、逆に下抜いたら下降の兆しだと考えてトレードします。

他の基準線や転換線、先行スパンと合わせて分析を行いましょう。

 

5つの線の位置から分かる相場パターン

一目均衡表の5つの線の役割をお伝えしましたが、この5つの線がどこに位置しているかや組み合わせによってトレンドや売買ポイントを探ることができます。

例えば強い買いシグナルのとして「三役好転」というものがあります。

これは3つの条件を満たすことで発生します。

【三役好転の条件】
①転換線が基準線を上抜ける(均衡の好転)
②遅行スパンが価格を上抜ける(遅行スパンの好転)
③価格が雲を上抜ける(三役好転)

この3つを満たしている時、つまり価格と基準線、転換線、雲、遅行スパンの関係が上から価格→雲→遅行スパンとなっている状態を全ての買いの条件を満たしている「三役好転」と言い、相場は強い強気相場になったと判断できます。

この逆に「三役逆転」があり、これについては先程の条件と逆です。

【三役逆転】
①転換点が基準線を下抜ける(均衡の逆転)
②遅行スパンが価格を下抜ける(遅行スパンの逆転)
③価格が雲を下抜ける(三役逆転)

この価格が一番下にあり、次いで転換線→基準線→雲→遅行スパンの関係で条件を満たしている時は、「三役逆転」と呼び、相場は強い弱気相場になったと判断することができます。

 

一目均衡表も奥が深いため基本だけで十分

一目均衡表の説明をしましたが、奥が深く、本当に理解しているのは数人にも満たないと言われているテクニカル指標です。しかし、一般的に使われているやり方でも十分な分析や売買は可能なため、視覚的なわかりやすさから今日まで世界中の投資家から愛されています。

 

学べば学ぶほど使い方や見方が異なる場合もあるので、相場で利益を出すという目的を忘れずにあなたにとって必要な分析の最低限のことだけを学んでおきましょう。

 

また、どんなテクニカル指標にも言えることですが、実際に使ってみないことには身に落とすことができません。

そして、数回使った程度では上手く利益ができないように、その時々の状況に合わせて使いこなせるようにならなければ利益を生み出すことはできないでしょう。

 

 

一目均衡表を使う人は、まずデモ取引などで使い、相場の分析力も合わせて培って分析力向上に努めてください。どれだけすごい武器でも持ち手の実力が不十分では、その本領を抜擢できない可能性があります。

その事を理解したうえで一目均衡表で勝てるように相場に挑みましょう。

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