相場反転はローソク足1本で分かる?「ピンバー」の見方と使い方

今回の記事では、「ピンバー」と呼ばれるローソク足について説明していききます。

ピンバー」とは特徴的な形になったローソク足の1つのことを呼びますが、プライスアクションと呼ばれるローソク足の形や値動きのパターンで将来の価格を予測する分析方法では、非常に役立つローソク足の種類です。

 

また、特別なインジケーターや水平線といった他の分析方法に頼らずにローソク足の形だけで相場の状況を判断できるのも大きな魅力ですが、インジケーター等と併用することで、さらに精度の高い分析を行うことが可能です。

ぜひ「ピンバー」の特徴を知り、売買根拠のヒントとして使えるようになりましょう。

 

【こんな人にオススメ!!】
・プライスアクションを学びたい
・ピンバーがどういうものなのか知りたい
・売買根拠をインジケーター以外から見つけかられるようになりたい

 

 

ピンバー(pin bar)の基本説明

ピンバー

ピンバーとは、簡単にいえばローソク足のヒゲが長く伸び、実体部分が極端に短くなっているローソク足のことです。

 

長く伸びたヒゲは、見ている時間足の時間内に価格が大きく動いたものの、その後に値動きが戻されて始値近くで終了し、終値がついたローソク足になります。

ここで注意して頂きたいのは、始値と終値が同じ価格である十字線などとは違い、始値と終値の価格が違い、時間内に大きく変動が起きてヒゲが長くなっているという点です。

 

そして、このピンバーが何度も出現する価格水準では値動きの先に強い抵抗帯が存在していることを教えてくれ、相場の転換や停滞への可能性を示唆するローソク足となっています。

次は、実際に価格が大きく上昇したあと売りの圧力に抑えられた「売りピンバー」と大きく価格が下降したあと買いの圧力に支えられた「買いピンバー」の2つを見ていきたいと思います。

 

同じピンバーでも、上と下でどちらから抑えられたかで転換の方向が異なるのでしっかりと理解しておきましょう。

 

買いピンバー

買いピンバーとはヒゲが下に長く伸びたローソク足の状態を指します。

上記画像のように、見ている時間足内の始値から上昇して大きく価格が下がったものの、買いの勢力に支えられるように再上昇して始値付近まで価格が推移し終値をつけています。

 

このピンバーが形成される場合には、次のローソク足以降の相場で上昇するといわれています。上昇を示唆するピンバーの条件は以下の3つです。

・実体部分が短い
・上ヒゲが短い
・下ヒゲが長い(実体の3倍以上)

実体部分が短いのはそうですが、ヒゲの長さによって判断が異なる投資家が多いのが事実です。

しかし、当サイトではヒゲが実体の3倍以上の長さとして上昇することが多かったことから、3:1での割合で上昇ピンバーとしてお伝えしています。

 

【売りピンバー】

買いピンバーとはヒゲが上に長く伸びたローソク足の状態を指します。

上記画像のように、見ている時間足内の始値から下降して大きく価格が上がったものの、売りの勢力に抑えられるように再下降して始値付近まで価格が推移し終値をつけています。

売りのピンバーについての条件は買いピンバーとは逆になります。

・実体部分が短い
・下ヒゲが短い
・上ヒゲが長い(実体の3倍以上)

上昇ピンバー同様の条件になりますが、こちらもヒゲが実体の3倍の長さを基準に考えておきましょう。

 

ピンバーの出現例

次は実際にピンバーが出現した相場を見ていきたいと思います。

上記の画像では、ヒゲの長さが実体の3倍という条件を満たしているローソク足が出現したあとに、相場が反転しているのが見て取れます。ただ、注意して頂きたいのは、ピンバーが出現したからといった必ず相場が反転したり、停滞するというわけではないということです。

 

ピンバーだけを頼りに売買していては、買いピンバーが出現していたり、売りピンバーが出現する頻度の多さから取引回数が多くなって手数料を多く取られてリ、予測どおり動かなくて損失が発生してしまう場合があります。

 

そのため、ピンバー単体での売買根拠として取引を開始するのではなく、他の売買根拠やライントレード、インジケーターと併用して使うようにしましょう。

 

ピンバーはあくまで示唆するものであって、売買の根拠ではない認識は忘れずに持っておいてください。その可能性がどれぐらいあるのかはトレーダー次第で明確にすることができます。

可能性を見逃さないようにピンバーを普段のトレードに活かすことが、最もピンバーを有効に活用する方法です。

 

レジスタンスライン・サポートラインなどの水平線との併用

ピンバーは価格の重要なラインに対して、つまり投資家が意識している売買ポイントで買いや売りが多発することで発生します。

そのためある種、重要な価格帯である証拠になりますが、こういった上値抵抗帯や下値支持線にもなる価格帯に水平線のラインを引くことで分かることがあります。というのも、その価格帯にローソク足が近づくと反発するような動きが頻繁に発生するため、ピンバーのようなローソク足が形成されることが多くみられるためです。

 

レジスタンスラインでのピンバー

レジスタンスラインで実際に発生したピンバーでは、見て分かるように何度も上昇して同じ価格帯で反発しているのが分かります。

こういった投資家心理ともいえる意識されているポイントに価格が近づくとピンバーが出現しやすくなります。しかし、ラインを引くことでその価格を超えることでさらに活発に売買が行われたり、損切りにポイントにもなっているためピンバーが出現する価格帯であるレジスタンスラインを超えるとさらに上昇する勢いが強まる可能性もあることを覚えておきましょう。

反転だけではなく、トレンドを加速させる要因でもあるため売買には注意が必要です。

 

サポートラインでのピンバー

サポートラインでは、レジスタンスラインのように何度も下降して同じ価格帯で反転します。

その後、価格が近づくたびに同じように反発しようとする値動きが活発になるため、ピンバーが出現しやすくなります。

つまり、そのピンバーが出現したから価格が大きく反転するのではなく、そのピンバーが出現したラインを超えることでも大きな意味を持つため、ある意味諸刃の剣ともいえるこのローソク足は、形ではなくどのような相場状況であるのか?市場参加者はどのように売買しようとしているのかを読み解くのが重要です。

 

水平線を引くことで反転だけではなく、さらにトレンドが進む可能性が生まれますが、この点は他のインジケーターや売買根拠と合わせることで見抜けるようになります。

 

インジケーターと併用してピンバーを活用する

レジスタンスラインやサポートラインの2つをピンバーに適用すれば、また違った分析が可能になりますが、これはインジケーターを使うことで売買根拠を強める効果もあります。

ピンバーと相性が良いのが「買われすぎ・売られすぎ」を表示してくれるオシレーター系のものです。

 

ピンバーは下降から上昇、上昇から下降の転換点を示すものになります。複数での出現は価格帯の発見などに役立ちますが、単体では効果が今ひとつです。

そこで、相場の転換を見つけるのによく使われるオシレーター系指標を導入することで、さらに転換点をはっきりと確認することができます。

 

RSIで見るピンバーの売買ポイント

上記はピンバが出現した後の値動きです。

RSIでは、買われすぎの水準である70を下回った直後といった状態。

RSIでは逆張りに利用されることが多くありますが、逆張りトレーダーにとってみれば反転を狙っているタイミングでピンバーが出現し、RSIも上から下に動き出して70を下回る状態であれば申し分ない状態でしょう。

 

さらにここからRSIの逆行現象であるダイバージェンスが出現していれば、売買根拠としてはさらに強くなります。

 

当サイトで開発しているRSIの逆行現象を自動線画してくれるRSI Diverを使えば、見つけることは容易になるので、一度ピンバーとRSIの売りの条件を見計らって売買してみるといいかもしれません。

価格変動の嘘を見抜く?FXで逆行現象を自動線画するRSIの上位互換ツール

 

 

MACDで見るピンバーの売買ポイント

こちらの値動きでは、ピンバーが出現したあとにMACDのゴールデンクロスが発生し、買いのシグナルが見て取れます。

 

その後価格は上昇に転じているのが分かる通り、MACDの売買ポイントとしてもピンバーが反転を先に示唆しています。もちろん、必ずこういったことが起きるわけではありませんが、それでもMACDを使うトレーダーにとっては取引の際の売買根拠の1つとして心強いものになるはずです。

 

こちらに関してもRSIと同様に逆行現象が起きるとさらに根拠としては強化されるので、ぜひMACD Diverなどと併用して活用してみましょう。

トレンドの起点と終点を自動表示するMACDの上位互換ツール

 

ピンバーが使える時間足

ピンバーは1分足や5分足といった下位足でも使うことができます。しかし、時間足が短くなるにつれて一瞬の値動きや少ない売買による勢力差で価格が蹴ってしてしまうので信用性が低くなるので要注意です。

 

ピンバーで相場の反転の兆しを見つける場合には、下位足なら最低でも5分から15分で考えておきましょう。

そして、相場分析によってトレンドフォローや反転といった売買根拠にするには、1時間足以上の時間足を推奨します。

1時間足以上の時間足でなら、一瞬の値動きの影響を受けることが少ないためです。

スキャルピングを行うトレーダーの中には、1分足でピンバーを多用する人もいますが、難易度は高く非常に稀な例になるので、自身で難易度を上げて利益から遠のくのではなく、出来る限り利益が発生しやすい方法を選択するようにしてください。

 

まとめ

ピンバーは、ヒゲの長さが実体の3倍以上の長さと時間足によって頻繁に出現するかもしれません。

しかし、単体ではなく出現頻度や他の分析方法と併用することで威力を発揮します。

投資に100%がないように、今後の展開を示唆する相場の条件も必ず訪れないからこそ、出来る限りの対策を施してリスクを回避できるようになりましょう。

 

ピンバーを活かすかどうかは投資家次第ということ忘れないように根拠の1つとして活用していきましょう。

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