スワップポイントとは?新型コロナで終わるスワップトレードの現在
FXは異なる国同士のお金に対して取引を行って差額で利益を得る投資です。
そうすると切っても切り離せないのが「金利」の問題です。
FXでは「金利」によって発生する損益をスワップという言い方をしますが、この金利差を狙って取引するトレーダーや取引を有利に進めようと考えている投資家は世界中に多くいます。
もちろん金利によって逆に損失が発生するので、不利な取引になってしまうと言う人もいますが、今回の記事ではスワップについての基本と実際に「スワップトレーダー」と呼ばれる、スワップで利益を出している投資家の方法についてお伝えしたいきたいと思います。
【こんな人にオススメ】
・スワップがなにか分からない人
・スワップを使って利益を出したい人
・スワップトレーダーになりたい人
Contents
金利差で発生する損益の「スワップ」とは?
FXには、単純に通貨の差額によって得られる利益のほかにポジションを保有しているだけで得られる「スワップポイント」と呼ばれる利益があり、スワップと呼ばれています。
スワップは2つの通貨を売買する過程で生じる金利差調整分のことで、2国間の金利差があることで発生する利益です。つまり、高金利の国通貨を買って低金利の国の通貨を売った場合には、金利差分のスワップを受け取ることができるわけです。
逆に金利の安い通貨を売るとスワップを支払う必要があるので、取引する金利に関しては注意しておきましょう。
※スワップは各国の金利情勢によって変化しますので、日々変化しています。
「受け取り」だったはずの国の取引通貨が、「支払い」に転じることになることもあるので気をつけておきましょう。また、買いポジションと売りポジションともに支払いになることも…。
スワップポイントを受け取れる仕組み
スワップは金利差によって生じる利益とお伝えしましたが、売買を開始すればすぐに付与されるわけではありません。
金利が高い国の通貨に対してポジションを保有したまま、ニューヨーククロース(午前7時)をまたぐことで発生します。基本的に各国の時差を考慮して2営業日後に行われるルールになっていますが、金曜日は当日を含めて土日の休日3日分月曜日がまとめて付与されます。
例えば、月曜日から火曜日にポジションを保有した場合は、NTクローズがまたいでなければ付与されませんが、NYクローズをまたげは発生します。
FXを始めたばかりの人は勘違いをしてしまいがちですが、ポジションを保有したらすぐにスワップポイントが発生するわけではないので注意しておきましょう。スワップの支払いや受け取りはインターバンク市場における受け渡しルールに基づいて行われています。
スワップの最大のメリットは長期保有が有利になる
ポジションを保有することで2営業日から付与が開始されるスワップですが、ポジションを解消せずにずっと保有していくことでスワップ利益をずっと得ることができます。
例えばですが、1Lot(10,000通貨、あるいは100,000通貨)あたりの買いスワップが100円の通貨ペアの買いポジションを1Lot保有すると仮定します。
そうすると1年間365日×100円で36,500円の利益を得ることができます。
ただ、スワップポイントに変動が合った場合には増減するので注意が必要です。また売りポジションを保有した場合には逆にスワップポイントの支払いで損失になるので気をつけておきましょう。
各国の金利水準によって日々変動するので、受け払いの方向性が逆転する可能性を考えてこまめに情報収集することも投資家には必要です。
スワップトレードによる利益を狙う投資家
投資家の中にはこういった金利差で発生するスワップを中心に狙う人も多くいます。
それは単純に保有しているだけで利益するため、分析や売買という手間を考えてローリスクでスワップを狙い、「利益が出れば儲け」ぐらいの感覚で売買による利益よりスワップによる利益を中心に取引をしている人も少なくないためです。
もちろん、金利状況は常に変動する可能性があるため情報収集や経済状況、その国の中央銀行の発表などチェック項目は多岐に渡ります。ただ、こういった情報は普段の取引をしていても当たり前に取得するべきものなので、人によっては全く手間に感じない人もいます。
中長期の保有が多いため、よほど大きい値動きが発生しない限りは基本ほったらかしという状況の人も多いので、売買による時間も取られることがありません。
そして、投資家によってスワップによる利益を得るための独自のルールを決められていることも多くなっています。
スワップトレードを好む投資家の傾向としては以下の5つのような考え方が多くなっています。
①テクニカル分析は使わずにファンダメンタルズ分析中心
②取引に使う証拠金は口座に預けた資金の10分の1以内
③レバレッジはMAX
④損切りは基本的にせずに回復を待つ
⑤高金利通貨を買う
スワップトレードには相場状況(変動が多くなった時)によって資金が足りなくなる可能性や、人発言などによって発生した突発的な値動きに対応するのが遅くなる傾向があるので、その点も考えて長期保有できる考え方や運用計画が大切です。
スワップトレードは終了?新型コロナで買いでも売りでもマイナスが多数
ここまで説明したスワップの魅力を聞けば、長期保有の有利さや売買以外からの利益を得られると考える人が多いでしょうが、ここで残念なお知らせがあります。
それは世界中で新型コロナウイルスが流行したことの影響で各国の経済状況が悪化、金利が低くなっているということです。
マイナスになる国も多い中、今まで保有しているだけで利益が出ていたスワップトレードには欠かせない国の通貨もマイナスになっています。
次はこのスワップが逆の取引のマイナス、損失になるという現在の状態を見ていき、スワップトレードが有効ではなくなる可能性を見ていきたいと思います。
日々変動することを考えれば回復する可能性もありますが、新型コロナウイルスで今までに例のないこのスワップの現状も知っておきましょう。
ドル円(USD/JPY)のスワップポイント
ドル円のスワップポイントは8月現在「買い-1.75」「売り-4.15」になっています。
発生する損失は買いで1日あたり「-486円」売りで1日あたり「-1,152円」(※価格は100円、1年360計)です。
つまり、買っても売っても保有しているだけで損失が発生する状態です。
FX初心者に最も推奨されることが多いドル円ですが、スワップが買っても売っても発生するのであれば、利益を出すことが難しくなります。
政策金利に伴ってスワップも高くなっていましたが、ここにきてマイナス。
ユーロ円(EUR/JPY)のスワップポイント
ユーロ円のスワップポイントは「買い-4.53」「売り-2.23」になります。
買いで1日あたり「-1,256円」売りで1日あたり「-619円」(※価格は100円、1年360計算)です。
ユーロ円もドル円同様、初心者に好まれる取引のしやすい通貨ペアになっています。
もともとユーロ円はスワップポイントがマイナスになることが多くありましたが、今回の世界情勢を考えるとマイナスが続き、プラスになるのがいつになるのか先が不安な状態です。
ポンド円(GBP/JPY)
ポンド円のスワップポイントは「買い-2.73」「売り-4.83」となっています。
買いで1日あたり「-758円」売りで1日あたり「-1,341円」(※価格は100円、1年360計算)です。
ポンド円はボラリティが多いことで初心者には向きませんが、それでも買いでマイナスになることがほぼないポンドでも現在の状況でマイナスになっています。
豪ドルドル(AUD/USD)
豪ドルドルのスワップポイントは「買い-2.4」「売り-1.54」になります。
買いで1日あたり「-666円」売りで1日あたり「-427円」(※価格は100円、1年360計算)です。
長期保有に豪ドルの高金利は安定していることから人気ですが、現在は買いでも売りでのマイナスの状態です。
スワップトレードをする人に好まれている豪ドルですが、今後のスワップトレードを見つめ直す必要があるかもしれません。
スワップの損失から考える取引のやり方
スワップが買いでも売りでもマイナスになるという現状を考えると、今までの長期保有やスワップでの利益を中心としてスワップトレードを見つめなす必要があります。
主にスワップトレードはスイングトレードと呼ばれる数週間にも及びポジションを保有している人に多くみられる取引方法で、相場の分析などをせずにただ保有しているだけという人も少なくありません。
しかし、現在のように買いや売りでも取引で損失が発生するなら必要以上のポジション保有が資金を減らす、つまり負ける原因になってしまいます。そのため必要なものは単純な値動きの価格を予測する分析の力や相場状況を把握する能力になります。
当サイトにはデイトレに適したインジケーターを開発、紹介してますので、「相場の分析が苦手」という人は出来る限り分析がやりやすい環境や勝てるポイントを見つけられるようになりましょう。
スワップは常に変動しているといっても、今回のように取引に不利な状況が生まれることがあるので、自身の力で利益を出せる投資家になることが今後一生FXで通用するトレーダーになるために必要です。
コメント ( 0 )
トラックバックは利用できません。
この記事へのコメントはありません。