移動平均線から作られた人気オシレーター系指標「MACD」の基本解説
FXで移動平均線を使ったゴールデンクロス・デットクロスは有名ですが、移動平均線はダマシが多かったり使い方次第で利益だけでななく損失も発生することになります。
そんな移動平均線のダマシを見抜き、トレンドにさらに信憑性を強めるテクニカル指標としてMACD(マックディー)と呼ばれるオシレーター系指標があります。
MACDは移動平均線を応用した指標で、売買シグナルにおいては移動平均線よりも精度が高いことからトレンド分析のなかでも人気の指標の1つになります。逆にレンジ相場には弱いという弱点もありますが、他のテクニカル指標と併用して使うことで弱点を補うこともできます。
今回は、FXでも人気のテクニカル指標の1つであるMACDについて解説していきたいと思います。
Contents
MACDの基本知識
MACDは「Moving Average Convergence Divergence」の略称です。
長く感じますが、日本語に訳すと「移動平均・収束拡散トレード法」と呼ばれています。
MACDは移動平均線を元に考えられており、短期の移動平均線と中長期の移動平均線を使用することで買いと売りを判断することができます。
MACDで基本となる線が下向きで移動平均線のシグナルがMACDよりも上にある時は相場が弱くと判断します。その後、MACDの動きがなだらかになり、シグナルを上抜けるとゴールデンクロスに認識して買いのポイント。
売りのポイントは買いと逆で、MACDが上向きでシグナルを上回っているときは相場が強いと判断し、シグナルを下抜けるとデットクロスで売りの判断になります。
MACDにも移動平均線を元にしているだけあり、ゴールデンクロス・デットクロスという売買サインがあるため、エントリーするタイミングを図ることが可能になります。ただ、移動平均線に比べると格段にサインの発生が早いため、相場の転換を早く判断することができ、移動平均線を使う投資家には愛用される指標になっています。
また、ダマシが少ないことも人気になっている理由の1つです。
MACDの計算式
MACDの設定値に使われているのは、EMA(指数平滑移動平均)と呼ばれる移動平均線です。
一般的に使用される単純移動平均線と違い、過去の価格をベースに直近の値動きを重視した独自の計算方法から成り立っています。
MACD=短期EMA-長期EMA
MACDシグナル=MACDのEMA
設定する期間はそのまま使う人が多いですが、短期EMAが「12」長期EMAが「26」MACDシグナルが「9」に設定している投資家が多くいます。
上記のように、MACDは短期のEMAから長期を引いて出た値になります。
シグナルラインはMACDの平均値をグラフ化したものになり、この平均値はMACDで設定した期間数によって変化するので注意しておきましょう。
MACDで発生する2つの売買ポイント
MACDの売買ポイントは基本的に2つだけになります。
上記画像はそれぞれ2つの売買ポイントが連続で発生した相場になり、買いの判断や売りの判断がどこで行われたのか示したものです。
売買ポイントの1つ目については、「MACDとMACDのシグナルがゴールデンクロスしたら買い、デットクロスで売る」というものです。
2つ目の売買ポイントは、「中央の0のラインに対してMACDが上抜けたら本格的な上昇トレンドと判断して買い、下抜けたら下降トレンドと判断して売り」になります。
MACDのヒストグラムで分かる相場の拮抗状態
0のラインを中心として上下に表示されているヒストグラムは、買いと売りの強さを表しており、0から上に抜けている場合は買いが優勢、下に抜けている場合には売りが優勢と考えることができます。ただ、それだけでは売買の根拠としては不十分なため、MACDとMACDシグナルの2本の線を使って本格的なトレンドの方向性を掴むというわけです。
MACDの2本の方向でトレンドの把握
MACDの線を見ることでトレンドの判断もできるようになっています。
これはMACDの向きとMACDのシグナルの向きを確認する必要があり、2本の線が同じ方向を向いている時は、大きなトレンドと言われています。もちろん、MACDも完璧ではありませんので判断材料の1つとして考える忘れないでください。
MACDの活かして大きな流れに早めに発見できる
MACDは指数平滑移動平均を利用しているため、直近の相場状況を重視した短期トレードに向いています。
MACDのラインとシグナルを使ったゴールデンクロス・デットクロスで早めの売買判断と、向きでのトレンド把握、そしてヒストグラムを使った買いと売りの拮抗状況から非常にFXでは有効的なテクニカル指標ですのでぜひ使ってみてください。
特にダマシが少ないこともFXを初めたばかりの初心者にはオススメな理由です。
移動平均線と同じようにMACDも期間を変更することは可能になっていますが、あまり変更せずに使用している人が多いため、既存で設定されている数値をそのまま使ってみましょう。
あるいは、検証している中で使用している移動平均線と同じ期間にしたり、敢えて違う長期期間を設定することで短期トレードで大きな利益を得ることができるかもしれません。
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